設立趣意
過去に幾度となく大規模自然災害に見舞われた我が国は、その記憶や教訓に学び、効果的な事前防災・減災の仕組みを探求し続けています。人命を守り、経済や社会への被害を最小限に抑え、早期に回復する「強さとしなやかさ」を備えた国づくりは、まさしく日本国民の希望の光であります。
平成30年12月14日に閣議決定された「国土強靱化基本計画」では、国が積極的に国土強靱化(ナショナル・レジリエンス)を提唱するとともに、これを実効あるものとするために、地方自治体においても「国土強靱化地域計画」の策定が進んでいます。
岐阜県においては、 令和3年10月1日現在、42ヶ所中40の 市町村 が、同地域計画を策定し終えています。岐阜県は、美濃地方には広大な濃尾平野や海抜ゼロメートルの木曽三川流域地帯が、飛騨地方には3,000メートル級の山地山脈が占めるなど、異なる気候と地形が特徴です。こうした県土から想定される大規模な自然災害は、「県内全地域が同時に被災しない」という可能性をも含んでいます。被災した地域間の連携は、地方自治体だけではなく、民間企業同士であっても有効な取り組みとなるでしょう。
国の基本計画で設定された「起きてはならない最悪の事態」には、企業の経済活動を維持することの重要性を掲げています。すべての企業が、それまで築き上げてきた信用やブランドを毀損しないよう、あらかじめ効果的に事業継続をシステム化できるのであれば、これに勝るものはありません。他方、地方自治体が策定した国土強靭化地域計画には、日ごろから民間企業との分野横断的なネットワークや、災害発生時の経済活動を後押しするための体制づくりに関し、さまざまな課題を抱えている現状があります。
当会は、民間企業の事業継続計画(BCP)の策定率を向上させ、異なる地域における人的・物的支援を可能とする会員企業同士の「B&B災害時応援協定」の締結を支援します。 また、策定したBCPの不断の見直しや、これらに携わる人材育成 について継続して支援します 。 加えて、会員企業が機能的に地域防災計画に参画できるよう国や地方自治体との連携を強化し、効果的なインセンティブ制度等を働きかけてまいります。防災団体にとどまることなく、「平時活用、有事機能」を徹底し、 災害に強く、回復力に富んだしなやかな県土を実現します。
2021年9月17日